カワウン君と社労士A先生の労災講座 個人負担からの切り替え
カワウン君)A先生、先日労災事故連絡のあった一人親方さんから「労災様式7号」が届きました。
裏面にお医者様の書類が貼られてあって、一人親方さんの領収書も一緒に留めてあります。
A先生)ああ。この一人親方さんは被災当時に、病院で支払いをしているんだよ。
カワウン君) ・・?労災は、病院では自己負担がないのではないですか・・?
A先生)労災認定されるとそうなるね。しかし、病院でまず支払いを済ませて、後日「労災切り替え」となり本人さんへ返金されるというケースもあるんだよ。
カワウン君)そうなのですかぁ。でも手持ちのお金がいつもあるとは限らないのでちょっぴり不安ですね。
A先生)そうだね。病院によっては、最初から「労災」扱いで、個人負担なしで手続きをしてくれる事もあるのかもしれないけれど・・。ケガをしたご本人さんが「労災」と、最初に病院に伝えていると、「労災申請扱い」で治療をしてくれるんじゃないかな。
でも、まずは全額自己負担をして、その後「労災」請求して返金になる場合もあるからね。
今回のこの一人親方さんの問題は・・。
カワウン君)・・!もしかして、労災扱いにならなかったりするんですか?・・でも、用紙は送られてきているし・・?
A先生)それは、あり得るね。最終的に労災認定がなければ、自己負担発生になってしまうね。
しかし、今回のこの一人親方さんの問題は、最初の支払時には「労災」請求出来る事に気が付かずに、国民健康保険で自己負担分を支払っている点なんだね。
カワウン君)国民健康保険で、治療したのですかぁ。・・あっ、自己負担は3割・・?
A先生)そう。カワウン君、いいところに気がつきました。
カワウン君)えへ、ぼく、3割負担でも大変だなぁ・・って。
A先生)えっとね、3割負担しているんだけれどね、労災に切り替えるという事は、最終的に自己負担はなしという事なるんだ。ただ、それまでの手続きが少し複雑になるんだよ。
一人親方さんには国民健康保健の方へ、いったん全額支払ってもらって、その後に労災請求をして、後日全額返金してもらう・・という流れになるんだよ。
カワウン君)なんだか、一人親方さんにとって、とっても面倒な事になってしまっているのですか・・?
A先生)そうだね。今回は労災申請までに少し月日が経っていて、病院自体が労災に切り替え手続き出来なかったんだね。このあたりは少しややこしくなるから、なるべく分かりやすく説明すると・・。
今回の一人親方さんは、いったん残りの7割を国民健康保険に支払ってもらって、全額支払いの領収書を7号用紙に添付して、労働基準監督署に提出するんだよ。
カワウン君)そうですかぁ。後日に全額返金されるとしても、日にちがかかってしまいますね。。
A先生)そうだね。なので、作業中のケガで病院に行った時には、やはり最初は全額自己負担だとしても、「労災で」と、病院に伝えてもらえると、少しでも返金される時間が短縮されるんじゃないかな。