カワウン君と事務員さんの労災講座:話「中小事業主等労災特別加入」③(一人親方さんとの違い)
事務員さん)カワウン君、中小事業主等のパンフレットと一人親方さんの年間労働保険料等の用紙を随分真剣に見比べているのね。
カワウン君)そうなんです。前回A先生に、一人親方さんが中小事業主さんに変更(変身)する講座をうけたのですが、違う制度というのは分かるんですが、ではどこが違うのか、を、ちょっと復習してみようと思って、、。
事務員さん)そうね、例えば一人親方さんなら最速で翌日の労災加入が可能だけれど、中小事業主さんは翌日加入・・という事は出来ないわね。違いを具体的にあげてみればイメージがつかめるかも。
カワウン君)えーと。一人親方さんは「申込用紙・運転免許証の写し・必要金額振込」で手続き完了ですね。
中小事業主さんは・・「雇用成立届・労働保険成立届」や、さまざまな添付書類が必要で、、その添付書類を用意していただくのと、提出書類に印鑑を押してもらう箇所が沢山あったりと、、翌日加入という事は出来ないですね。少し時間がかかりそうです。
事務員さん)他に、そうね・・一人親方さんなら加入必要金額をすぐにご案内出来るのに、中小事業主さんは難しい・・とか?
カワウン君)そうですね。えーと、中小事業主さんになるという事は、まずは「従業員」さんが必要。家族ではなく他人の従業員さんが働いていないと、そもそも「株式会社〇〇瓦店」の社長さんだとしても、一人親方さんになるんですね。
事務員さん)そうね。一人親方さんは親子で一緒に働いていても、それぞれ労災に加入して、それぞれが一人親方さん。それぞれが事業主の主体、、主人公、みたいな感じかしら。
カワウン君)中小事業主さんは、手続きとしては、従業員さんが主人公・・?まずは従業員さんの雇用保険の加入手続きや労災保険を成立させないといけないから。
事務員さん)イメージね、イメージ。確かに、従業員さんの手続きがあってはじめて社長さんも「特別」に労災加入するのよね。従業員さんと一緒に現場に入るために。
カワウン君)必要経費としては、中小事業主さんになると、従業員さんの雇用保険:労災保険=労働保険の支払いを用意して、そのうえで社長としての労災特別加入保険を支払う・・。
事務員さん)そうね。それと事務組合への委託費用も発生するわね。初回と年会費と・・ここは一人親方さんと違うところかしら。費用面で随分違いがあるわね。
カワウン君)それと・・、そう、もしも事務組合へ直接依頼するのではなくて、間に僕たちのような手続き事務所があれば、そこにも費用が発生します。
事務員さん)これだけですでに違いがはっきりと・・。一番大きな違いは加入するのに必要な経費とも言えるかも。その費用も随時変更してしまうかも知れないし・・。
カワウン君)随時変更する・・?
事務員さん)一人親方さんは1年(又は当協会の場合は半年)に「いくら」と、金額が決まっているわね。年の途中でも経過した月後の加入月数で金額が分かるわ。
カワウン君)あ、そうだ。手続き事務所への金額が各手続きによって追加がある場合があるんでした。
事務員さん)そうね。中小事業主さんとしてスタートしてから、従業員さんの人数等が全く変更しなければ手続き事務所への費用は大きく変動はしないわね。最初の年とほぼ同じかしら。事務組合への必要経費も年会費としては同じね。あとは「年度更新時」かしら。
カワウン君)そこも違います。中小事業主さんは年度更新の時に、毎年同じ労働保険料とは限らないんですよね。従業員さんに支払った賃金総額で計算するから。それとプラスで、又中小事業主さんも1年間の労災特別加入費用が発生するんですよね。
事務員さん)一人親方さんは「国が定める率」が変動しない限りは、選択した日額で毎年労働保険料等(当協会の事務会費含む)は同じだから、毎年「この金額が必要」と予測・用意はしておけるわね。
カワウン君)ええと、そうか。中小事業主さんと一人親方さんの違いはさっくり分けてみると、「加入手続き方法(必要時間)」と「必要経費」がはっきり違うところですね。
ああ、だからA先生は中小事業主さんになる場合は、事前に「見積もり」を用意すると言っていたんですね。簡単に金額をお伝え出来ないし、ご依頼者様の想像していた以上の必要経費だったりするかも知れないですもんね。お電話での問合せで即答出来ないと言っていました。
よし、もう少し掘り下げて違いを考えてみます。