カワウン君と社労士A先生の労災講座「中小事業主等労災特別加入」②(社員の労災 社長の労災)
A先生)じゃあ、今日は中小事業主さんの労災加入をイメージしながら勉強します。
カワウン君)はい。一人親方さんだった人が、一定期間以上、今後も従業員さんを雇うという事になったんですね。そして、その一人親方さんは「一人親方労災特別加入」から脱退して、「中小事業主労災特別加入」へ・・。・・・ベテランの職人さんが若手さんを育てていくような感じですか・・?
A先生)うん。そういう感じかな。個人事業の内装仕上げ工事の社長さんで、2人を常時雇用したとしよう。
カワウン君)常時雇用・・?
A先生)そう、正社員さんとして雇う事になりました。朝の8時から夕方5時まで、週に5日働いてもらうんだ。朝は自宅兼事務所にしている2階の打ち合わせ場所で、作業内容の確認。その後は社長さんも一緒にみんなでその日の現場に移動して作業。作業終了時はその場で解散の時もあるけれど、たいていは事務所で道具の片づけ等の後、退社・・という感じかな。
カワウン君)えーと、社員さんの労災と、社長さんの労災と・・・どんな手続きを・・?
A先生)要件があったね。まずは・・①雇用する労働者さんについて、保険関係が成立していること、だったね。この場合は、従業員さん2人の労災保険と雇用保険の加入手続の用意が必要です。社長さんはちょっと後から話が出てきますよ。
カワウン君)従業員さんの労災と、雇用・・?
A先生)そう。社長さんと従業員さんの必要事項等の確認をしながら、労災保険と雇用保険の加入書類を作成するんだ。ここでいう労災は、一般的には「現場労災」「事務所労災」とか呼ばれているものだね。「現場労災」は、この社長さんが、元請となって行う工事の時の為、それとは別に自宅兼事務所での打ち合わせや、片付けをしている時の為のものが「事務所労災」になるんだ。
それと、今回のケースの勤務形態の従業員さんは、雇用保険の加入が必要になるから、そちらの手続きも行います。
カワウン君)・・あのう、労災で、ちょっと混乱を・・。じゃあ、従業員さんが現場でケガした場合には、どうなりますか?
A先生)それは、「社長さんの従業員(労働者)」として、現場に入ることになるので、現場(この社長さんが元請になる現場だけでなく、違う会社・社長さんが元請になる現場も含まれる)の労災が適用されるんだ。
うん、確かにちょっとややこしいね。でも、これで、従業員さんのサポートの準備は出来ました。
カワウン君)!・・このあたりから社長さんの労災加入のお話にもなっていくんですね?
A先生)そうそう。ここから社長さんの「中小事業主労災特別加入」。・・・で、②労働保険の事務処理を、「労働保険事務組合」に委託していること、という要件もあったね。
カワウン君)あっ、当事務局が「労働保険事務組合」ですね?だからお手伝いが出来るんですか?
A先生)実は・・・違うんです。
カワウン君)ええぇー?・・では、今までのお話は・・?
A先生)私の事務所が会員となっている「労働保険事務組合」に事務を委託する形態で手続きしていくんだよ。結果、私たちの事務局(安達社会保険労務士事務所)を経由して、書類を作成していきます。
カワウン君)・・??・・・。イメージとしては・・?
A先生) 社長さんはね、当事務所を通じて、労働保険事務組合に手続きを依頼する・・という感じなんだよ。当事務所が、社長さんからお話を聞いて、手続きを進めていくんだけれど、「労働保険事務組合」にもお手伝いしてもらっているんだ。
カワウン君)当事務所と「労働保険事務組合」ですかぁ・・。
A先生)そう。当事務所は、「大阪SR経営労務センター」という、大阪府社会保険労務士会に併設されている「労働保険事務組合」の会員なんだ。「大阪SR」で検索すれば、ホームページも確認出来るよ。
カワウン君)一度見てみます。
A先生)これが全体のイメージかな。あ、でも、加入に必要な経費(費用)等の話も次回にしようか。
カワウン君)はい。費用を事前に確認して頂くことも大切でしたね。
A先生)中小事業主さんの労災保険特別加入は、一人親方さんと違って、加入方法も費用もかなり違うので、驚かれる一人親方さんも多いんだよ。
カワウン君)え、、そんなに違うんですか?一人親方さんは「この日額でこれだけの必要金額」ってすぐにご案内できますよね。
A先生)そうだね。中小事業主さんのばあいは、本日最初の方で説明した手続きの金額やらなんやら、、すぐには必要金額をお答え出来ないかな。まずは見積もりをとって、「一体どのくらいかかるのか」を確認してもらう必要があるんだよ。